2018年度スローガン 栗原人として共に歩もう~愛郷心に溢れた地域とするために~

理事長所信

  • HOME »
  • 理事長所信

一般社団法人栗原青年会議所

2018年度理事長所信

 

理事長 堀本 教信

 

―序―
栗原市は県内で最も広い面積を有し、そこには栗駒山や伊豆沼など自然資源があり、四季折々の美しさを見せてくれています。この地域は、縄文時代の遺跡が点在し、『続日本紀』に「置陸奥国栗原郡」と記載されていることから8世紀には、「栗原」という地名で成立していたとされています。そして日本史の宝亀の乱でも知られる伊治呰麻呂(これはりのあざまろ)の舞台となった国の史跡でもある伊治城の城柵跡があり、古い歴史が息づいている地域です。また昔から冠婚葬祭では餅を食し、ずんだ餅だけではなく、海老やじゅうね(じゅうねん)、ふすべ餅など都市部では見ることがない餅の食文化があります。しかし明治時代以降、町村ごとの自治体運営になっていくことで、各地域の文化は育まれましたが、「栗原」全域に関わる歴史や文化が希薄になり、そして人口減少の加速化と共に自治体が弱体化し、各町村も徐々に衰退していきました。
そのように衰退していくなか48年前、先輩諸兄は「われわれは、栗原に生きる青年であることに誇りを持ち、世界人たらんとする目標を定め、栗原の大地の上に人々によって奏でられる歓喜のうた声を現実のものとすべく、ここに集い栗原青年会議所を設立します」と高い志を宣言し、全国で469番目の青年会議所として設立いたしました。栗原青年会議所の広域的意識「栗原はひとつ」新幹線新駅設置運動、地域ビジョンづくり「新生れ(みあれ)栗原」広域合併推進「栗原市構想」などの運動を発信し、栗原に住む人々を牽引してまいりました。そして不可能と思われる夢を設立宣言の志と情熱を持って、次々と現実のものとしてきたのです。いつの時代も栗原青年会議所は、地域の人々の愛郷心を呼び起こし、意識変革をもたらして地域の発展に貢献してきました。
栗原10カ町村合併が実現して10年以上が経った今、先輩諸兄が栗原というキャンパスに描いた絵(夢)を継承し、さらなるビジョンを創造し、「栗原人」として愛郷心に溢れた地域にしていかなければなりません。

東北を結ぶまち栗原
現在、栗原市では「恵まれた自然に包まれた、質の高い暮らし、子どもたちの豊かな感性と生きる力を育み、健康や生活に不安がなく、優しさと思いやりに満ちた、地域の特性を生かした、産業や交流が盛んな、市民がまちづくりを楽しめるまち」を将来像とした『第2次栗原市総合計画』に基づき地方創生に向けて取り組んでおります。しかし栗原市が抱える課題は、産業や交流の要であるインフラ整備など隣接する自治体と連携しなければ解決できないのもあります。先の東日本大震災などの災害を見ても、ひとつの自治体だけで対応できなかった現実もあり、広域的な地域連携の必要性が問われております。また現在、岩手県において国際リニアコライダーの誘致が進んでおり、岩手県・宮城県北部の東北新幹線の沿線ではリニアの関係施設や関連学校の誘致などの新しい経済効果が期待されております。つまり栗原の課題や経済を考えるとき、市内や宮城県内の情勢だけでなく、東北という広い視野で物事を見ていく必要があります。
幸いなことに栗原市は秋田県、岩手県の県境に位置し、東北新幹線くりこま高原駅と東北自動車道築館、若柳金成の二つのインターチェンジがあり、東北の交通インフラとしても「東北のへそ」に位置しています。それは東北各地と諸問題を共有し、課題解決に向けた意見交換・交流ができる地域でもあり、東北各地をあらゆる分野で結ぶことができるまちでもあります。「東北を結ぶまち栗原」としてどのような可能性があるかを、中長期的なビジョンを創造し、市の内外に向けて、栗原の「夢」として声を挙げ、発信してまいります。

故郷(ふるさと)教育
私たちは栗原が「住んでいる場所」という認識だけで、「故郷」という認識が希薄なのではないでしょうか。それは大人も子供も「栗原」を学ぶ、つまり故郷教育がされてこなかったということに起因していると私は考えます。さらに私達は「日本人」という認識はあっても「栗原人」という認識、想いも希薄なのではないでしょうか。それは、学びの場が家庭よりも学校や塾などが主になり、進学に必要な「日本」の歴史や文化教育に特化し、地域独自の歴史・文化を学ぶ機会が減ってしまったということが大きいと考えられます。つまり日本の文化や歴史の知識はあるが、栗原の文化や歴史がわかならないという市民が増加しており、自分の地域の歴史や文化がわからなければ「故郷」としての実感がわかず、また「故郷」としての実感がなければ愛郷心を育むことができません。そして「ただ生まれた土地」「ただ住んでいる地域」というだけで、愛郷心がなければ、その地域を発展させていこうという意識が生まれず、環境の良い都市部などへ移住してしまい、地域が衰退してしまうことになります。その問題を解決していくために、我々は栗原に住む子供や大人に持続的な歴史・文化を学ぶ故郷教育を実践して、故郷への愛郷心を醸成し「栗原人」を育成してまいります。

わんぱく相撲の魅力
わんぱく相撲「栗原場所」が今年で第34回を迎えることになりました。元々相撲が盛んな地域として、人々の心の拠り所として根付いていたこともあり、時の東京青年会議所がわんぱく相撲全国大会を開催するのに併せて、「栗原場所」が開催されました。33年の長きにわたり継続し紡いでこられました先輩諸兄や共催としてご指導ご協力賜りました栗原相撲連盟の皆様には敬意を表します。しかし現在の「栗原場所」はスポーツ競技という側面が強くなり、相撲が持つ本来の魅力を見失い、わんぱく相撲の初志である青少年育成から遠ざかっている様に感じます。
相撲の起源は古事記や日本書紀にあり、またその後、作物の豊穣を占う神事や武士の力自慢、江戸時代には歌舞伎と並ぶ一般大衆の娯楽になっていきました。まさに歴史、神事、競技、文化を併せ持つものといえるでしょう。そして、それがわずか直径15尺(4.55m)のひとつの土俵に込められているのです。私たちは相撲が育んできた魅力を再認識し、あらゆる存在に対しても敬意と礼節そして「恩」を感じることができる子供たちを育成してまいります。

栗原の経済
栗原市の経済を支えてきたのは古くから稲作が中心の農業が営まれており、また1000年以上の歴史を誇る細倉鉱山のほか、20世紀初頭には褐炭を産出する岩倉炭鉱が稼働するなど、地下資源が豊富で盛んに開発が進められてきました。そして栗駒地域を中心に1980年頃まで縫製工場が集中しておりました。そして物資や人材の運搬も北上川につながる迫川を利用した水上輸送から1921年からは東北本線石越駅へとつながる栗原電鉄開通により、鉄道輸送へと変わりました。しかし、それらは生活の欧米化によるコメ消費の減少、地下資源の枯渇による鉱山の閉鎖、グローバル化とコスト削減による大手メーカーの縫製工場海外流出に伴う工場閉鎖、車社会による交通手段の変化により衰退しているのが現状です。そして現在、栗原市は企業誘致により大手の工場が進出し、農業だけではなく工業への側面も見せています。また観光業においては、春夏秋冬で楽しめる栗駒山、花山、伊豆沼・内沼等の観光資源が豊富であり、2016年には栗原市全域が日本ジオパークにも認定されるなど、自然資源を活用することに力を入れております。このように栗原の産業を振り返ると栄枯盛衰をくり返しています。

産業の推移は「経済」と深く関係しております。経済とは、「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」という「經世濟民」に由来する言葉であり、「世」とは人間が社会生活を営んでいる場所のことで、まさに今自分が住んでいる地域のことを指します。さて、我々は栗原の経済ということをどれだけ意識し、語ることができるでしょうか。地方創生による地域の経済再生が叫ばれる今、栗原の経済を再生・発展させていくためには地域経済への先見の明がなければなりません。そのために、「経済」の正しい知識を学び、未来を見通して行政や様々な団体に栗原経済への提言ができる経済人を育成してまいります。

「ジョブKidsスマイルタウンくりはら」の未来(さき)
2013年より始まった事業「ジョブKidsスマイルタウンくりはら」は当初の10カ年計画の半分が経過しました。初めは子供に仕事の楽しさや大変さを伝え、保護者に栗原にも素晴らしい企業、仕事があるということを知ってもらうことと、市内の企業には事業を通して子供の育成に携わり、まちづくりへの意識を持ってもらう、という想いから始まりました。そして改めてこれまでを検証すると、そこに新しい課題が見えてきました。現在、栗原市の企業数は年々減少傾向にあります。これは長引く不況によるものとされていますが、それだけでなく企業の後継者不足や起業数が少ないのも要因だと考えられます。つまり我々は栗原の青少年に就職という意識から起業という選択肢もあるという意識へと変えていく必要があります。何より地方だから成り立つ仕事、都市部から離れているという付加価値が地方にはあるはずです。そして起業意識を持った青少年が、その若さゆえの情熱、発想力、夢を持って起業することによって、地域が活性化し、栗原の経済再生・発展につながっていくと考えます。何よりその起業者が、我々を含めた様々な活動をしている団体の仲間となり、栗原の課題解決の担い手になります。
本年、「ジョブKidsスマイルタウンくりはら」は10カ年計画の「拡大」段階に基づき、様々な企業、団体を巻き込み、事業譲渡に弾みをつける事業として開催し、併せて事業譲渡後の新しい事業として、起業意識を持った青少年育成をしていくために、起業することへの志や経営していくことの覚悟を持ってもらう事業を模索し、「ジョブKidsスマイルタウンくりはら」事業の未来(さき)を見越し立案してまいります。

防災ネットワークからまちづくり
震災、噴火、豪雨といった様々な災害が毎年のように日本のどこかで発災しております。栗原でもここ10年の間、2008年の岩手・宮城内陸地震、2011年の東日本大震災、2015年の関東・東北豪雨で被災し、栗原の大地と人々の心に大きな傷を残しました。そこから災害に対する知識不足、災害対策への他団体連携、地域コミュニティの連携不足など栗原の問題点というのも見えてきました。現在、これまでの災害を教訓とし、全国各地で発災する様々な災害に対して、地域間・他団体でのネットワーク構築の気運が高まり、栗原市は「自助」「公助」「共助」に加え、地域防災「近助」を推進し、市民、行政、地域、近所の連携による防災体制の強化を推進しております。また近年は北朝鮮のミサイルという脅威に晒されており、自然災害以外の避難なども検討しなければいけない状況です。
栗原という地域は栗駒山や伊豆沼、迫川などの大いなる自然がもたらしてくれた恩恵を受けてまちが発展してきました。しかしそれは自然の資源だけではなく、度重なる自然災害に対して住民たちが力を合わせて乗り越えてきた絆と知恵によるものでもありました。自然と共に生きるということは災害と隣り合わせで生きるということでもあります。そしてそこからまちを発展させる可能性を生み出してきたのが「栗原人」だと私は思います。その可能性のひとつが岩手・宮城内陸地震からの栗駒山麓ジオパーク認定だったと思います。「栗原人」の災害に負けず、そこから新しいモノを生み出していく力を、今こそこれから来る災害に対して防災・減災の行政、団体、企業、個人のネットワークの構築を通じて、栗原のコミュニティ活性化と発展につなげてまいります。

栗原アカデミー
栗原青年会議所の会員数は全盛期と比べて四分の一という現状です。これは栗原市の人口、企業数の減少に比例しています。しかし社会現象によって会員数は増減しやすいですが、我々の運動は会員数も大切ですが、それ以上に会員の資質向上が重要です。近年の栗原青年会議所は会員の在籍年数の低下、会員育成事業の欠如などで、その資質向上が困難な状況にあります。青年会議所の本来の姿は、40歳までにJC活動を通して修練を積み、卒業後に地域を牽引していく人材として地域貢献していくことです。栗原をより発展させていくためには我々の資質向上は必須であり、そのためには地域の問題から課題を明確に見出し、課題解決に向けて行動できる、知識と行動力を兼ね備えることができるJCI公式コースなどの専門的な学びの機会を提供していかなければなりません。
青年会議所は一生の仲間づくりができる場所でもあります。組織を円滑に運営していくためにも会員同士の絆を深めていくことが重要で、また強い絆で結ばれた会員がいる団体は魅力的な団体となり、会員拡大や地域の人々の信頼へとつながっていきます。
人は人によって磨かれるといわれるように、同じ地域、業種だけでなく、他の地域や異業種の人と交流することで、新たな学びや刺激を受け、価値観が変わっていきます。青年会議所は全国に676、東北には77、宮城には11の青年会議所があり、他の青年会議所とは独自のネットワークや出向という形で交流を持つことができます。それはまさに会員個々の成長の機会でもあります。この青年会議所のスケールメリットを活かし、栗原青年会議所のメンバー個々の成長につなげてまいります。

想いと情熱を伝える広報
我々の運動をより強く発信していくためには栗原の市民や諸々の団体、企業に認知され、理解をしていただかなければなりません。それを主に広報誌という形で我々は発信してきました。しかしこれまでの活動報告主体の記事では、我々の栗原発展への想いや情熱といったものが伝えきれていないのが現状です。また、青年会議所は単年度制であり、理事長をはじめとする組織が毎年変わる事で、新たな地域の未来へ向けたビジョンと向き合い見つめ直しながら、その時代に寄り添った運動を展開してまいりました。つまり年初において一年間の方針を市民に強く打ち出していくことも必要になり、また本年は「東北を結ぶまち栗原」として中長期的なビジョンを発信していくことになります。そのためには、今までの広報誌やホームページ、SNSだけではなく、直接市民に我々の想いと情熱を伝えることができる広報活動をしていかなければなりません。その一つとして2018年度は栗原市内の様々な市民団体、企業を交えた「新春の集い」を開催してまいります。

同志=Comrade(コムラッド)
何かを成し遂げていくには一人でもできることもあれば、多くの仲間がいなければできないことがあります。また地域を発展させていくのも多くの同じ志を持った仲間が必要です。私は青年会議所というところは共に学び、成長して同じ志を共有できる場所であると確信しております。
栗原には2017年3月末までに20代が4,817人、30代が7,036人、合計11,853人もの市民がいます。この人数が我々の同志となり得る人財でありますが、中には様々な事情で青年会議所に入会ができない人もいます。しかし人口が減少している今日、一人でも貴重な人財であり、これをただ見過ごすのではなく、そのような人にもまちづくりへ参画をしていただく機会を提供し、我々の運動を広く強力に伝播していくことができる同志を増やしていく必要があります。そのために栗原に縁がある人々を、我々の組織に参画できる体制を構築してまいります。

―結―
人らしい生き方
動物と人の違いは何か、動物は自分のいる場所に食べるものがなくなれば、違う土地に行き、食物を求めて移動します。しかし人はどんな劣悪な環境であろうとも、土地を耕し、食物を育て、暮らしやすい環境に変えていくことができます。つまり人だけが劣悪な環境であろうとも、自分の住んでいる場所をより良くしていこうと生きていくことができるのです。しかし今の私達はどうでしょうか。何もない栗原だと思い、市外にいきたいと思っていないでしょうか。しかしその行動は人ではなく動物的行動なのです。我々が人として進化し、手に入れた英知と勇気と情熱は、栗原を明るい豊かな故郷にしていくための力なのです。その力を行使し、覚悟と使命感をもって故郷を発展させていく生き方こそが、人としての誇りを持った生き方なのです。

さぁ栗原人よ!
愛郷心に溢れた地域にしていくために、その誇りを抱いて共に歩もうではないか。

〈基本方針〉
1、栗原の「夢」創造と伝播
2、「栗原人」の育成のための故郷教育
3、栗原の経済再生・発展につながる提言

〈事業計画〉
・「東北を結ぶまち 栗原」中長期的ビジョンの策定と発信
・栗原の歴史・文化教育の研究と推進
・第34回わんぱく相撲栗原場所の開催と全国大会への出場
・経済知識の学びと栗原経済の調査・研究
・第6回ジョブKidsスマイルタウンくりはらの開催
・起業意識を醸成できる事業の模索
・防災ネットワーク構築の推進
・栗原の未来を切り拓く力強い会員の育成
・想いと情熱を伝える広報活動
・新春の集いの開催
・市民参画型の組織・栗原コムラッドの認定

参考文献
・栗原市第2次総合計画
・栗原市人口ビジョン
・JOIN(一般社団法人移住・交流推進機構)
・RESAS地域経済分析システム
・栗原市HP
・City Do!
・集落ネットワーク圏を担う人材の確保とつながりの構築に関する調査

一般社団法人栗原青年会議所事務局 TEL 0228-22-1232 お電話受付時間 平日:10:00~16:00

PAGETOP
Copyright © 一般社団法人栗原青年会議所 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.