理事長所信

一般社団法人栗原青年会議所

理事長所信

 

理事長 小野寺 健

 

たすきを繋ぐ
「我々は栗原で生きる青年であることに誇りを持ち、世界人たらんとする目標を定め、栗原の大地の上に人々によって奏でられる歓喜のうた声を現実のものとすべく、ここに集い栗原青年会議所を設立いたします」
この一文は、1971年に栗原青年会議所が各地青年会議所の一つとして承認された際の設立宣言文ですが、半世紀近く経過した今改めて読み返してみると、その後の東北新幹線新駅設置運動や栗原市構想の展開などからも、設立時の想いそのままに大志と情熱を持って活動してこられた先輩諸兄の当時の覚悟がうかがえます。では、この宣言から47年目を迎えた今、我々はこの先輩諸兄が抱いた大志と情熱そのままに、誇りを持って、地域のために活動ができているでしょうか?
 設立50周年という節目の年を間近に控えた今、設立宣言時に先輩諸兄が抱いた創始の志を引継ぎ、この地域(まち)の魅力を見つめ直し郷土愛を育むことで、絆を育む心豊かな地域(まち)を創造する。
青年会議所(以下JC)は「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教える意識変革団体」と教えられてきましたが、この地域(まち)が真に自律していくためにも、自分自身の意識を変えて考えてみる、まずはそれが第一歩です。絆を育む心豊かな地域(まち)を自分達の手で創りあげようとする一人の小さな意識変革の光がメンバーへと、そしてメンバーから住民へと広がっていったとき、住民一人ひとりの意識が変わる大きな光へと繋がっていくのです。これらの積み重ねこそ、一見遠回りに見えて「この地域(まち)に住んでいて本当に良かった」と住民が心から想える地域(まち)へと発展する一番の近道になるのです。

絆を育む地域(まち)づくり
 今、この栗原に住んでいる自分についてどう思っていますか?
チャンスさえあれば仙台などの都市部へ引っ越ししたいと、本音では思っていませんか?実際、数年前まで私は、なんとかしてこの田舎を離れ仙台に引っ越したいと心底思っていました。早く田舎から抜け出したい、もっと便利な都会に住みたい、栗原出身っていうのも恥ずかしいと。ただ、この地域(まち)で生きていくと覚悟を決めたとき、この地域(まち)を良くしたい、この地域(まち)に住む住民一人ひとりが栗原に住んでいることに心から誇りが持てる地域(まち)づくりがしたいと、真剣に考えるようになりました。輪の中に居てしまうとそのことが当たり前になりすぎ、本当は他の地域にない魅力を秘めた地域(まち)なのに、中に居すぎるがために見えなくなってしまうことがあります。
 栗原の魅力、それは「人と人との繋がり」ではないでしょうか。最近になって希薄になりつつありますが、町内会や隣組、消防団などの「結」の考えを基にした相互扶助組織、地域(まち)ごとの運動会や地域清掃なども代々受け継がれてきたコミュニティを大切にしようとするこの地域(まち)ならではの差別化された文化なのです。これら衰退しつつある古き良き文化を見つめ直し「地域の絆」という繋がりの深さを地域(まち)の強みとして発信することで、ゆとりや豊かさに関心を持つ都市部からのUJIターンや二地域移住希望者への喚起を促し、結果、雇用創出や人口増加に繋げていく。これら具体的指針を多方面に渡って提言していくことこそ、意識変革運動を推進する私達JCが取り組むべき地域の絆を育む地域(まち)づくりではないでしょうか。
地域の絆を育む地域(まち)づくりという「コト」、東北の臍にあたる立地条件に加え、東北新幹線、東北本線、東北自動車道、国道などを有する交通アクセスの良さ、里山を想わせる自然豊かな街並みという「モノ」、これら「モノとコト」を掛け合わせることで、栗原独自の地域(まち)づくりを創造してまいります。各
 
栗原で生きることに誇りを持つ
 2015年に市内中学生へ行った「まちづくり意識アンケート」によると、「将来も栗原に住み続けたい」という回答は、学年ごと減少し平均でわずか25%だったのに対し、「栗原をもっと良くしたい」という回答は、学年ごと増加し平均で61%を占め、「将来も栗原に住み続けたい」という回答に比べ2.4倍を占める結果となりました。このアンケート結果は、雇用不安や人口減少、生活の利便性や生活環境に対する不安から将来も栗原に住み続けることはできないが、反面、生まれ故郷を自分達の手で良くしていきたいとする社会貢献や地域貢献意識の高まり、栗原の魅力を知り将来への不安がなくなれば、生まれ育ったこの地域(まち)に、家族や親戚、友達がいるこの地域(まち)にずっと住み続けていたいと願う子供達が半分以上もいる、そう期待させてくれる結果となりました。
 次世代へ引き継いでいくべき襷(たすき)、それは、将来も栗原に住み続けたいと願う子供達の想いを私達大人がどう現実に変えられるか、そして、私達JCが掲げる具体的指針によって夢のある明るい栗原(みらい)を子供達にどう描かせることができるか、ということではないでしょうか。そのためにも地域の絆を育む地域(まち)づくりという具体的なビジョンの提言が必要であり、自分達が住み暮らすこの地域(まち)への郷土愛を育み、自信と誇りを持って生きるための魅力を発信することが必要になってくるのだと考えます。
 50年後100年後の栗原(みらい)の子供達に何を残していくか。
 この地域(まち)が歩んできた歴史や文化を知ることで郷土愛を、この地域(まち)にしかない魅力を知ることで自信と誇りを育み、栗原に生きることに誇りが持てる、明るい豊かな栗原(みらい)が想像できる夢のある事業を模索していきます。

規模の拡大から質の深掘りへ
 これまでの在籍中、数回にわたって大幅な会員拡大が行われてきました。会員が急激に増えるとその達成感から一時盛り上がりますが、その後は必ずといっていいほど急激に会員が減少し、数年後また会員拡大が叫ばれ始めます。なぜこのような問題が起きたのか。原因の一つとして、掲げたゴール設定に問題があったのではないでしょうか。会員拡大そのものを目的にしていたのか、それとも会員拡大を目的達成のための手段と捉え、明確な目的をもって会員拡大を図ったのかという目的意識の違いです。我々JCが掲げる「明るい豊かな社会」を実現するために同じ理想と責任感を持つ仲間を一人でも多く増やしたい、そのような使命感を持って会員拡大を図ったのかということです。強い意志を持って入会を勧めるからこそ、その熱意に感動し入会を真剣に考えますし、想いを持って入会を勧めた新入会員だからこそ、その後も引き続き参加できるようフォローアップをし、基となる委員会を開催、参加したいと想える魅力ある例会や事業を開催しようと考えるようになるのです。自社でも同じことが言えますが、目的なく入社した新入社員よりも明確な目的を持って入社した社員の方がその後の成長も変わってくるはずです。また、そういった新入社員にこそ自分自身も真剣に向き合おうとするのではないでしょうか。
 今年度、会員の減少により会員拡大が喫緊の課題となりますが、それと同時にJC歴の浅い会員がJCに対しての理解をより深められる機会を創ると共に、委員会の垣根を越えた全員参加型の会員拡大と資質の向上、新入会員が継続して参加する仕組み、出席率の低い仲間の会員が進んで参加したくなる仕組みを確立していきます。

JCと自社を重ね合わせる
 「仕事が忙しすぎてJCなんてやってる暇がない」こんな言葉をたまに耳にします。実は私自身もこう考えて、長い間足が遠のいていた時期がありました。
 ただ、入会から15年も在籍すると、そうでもないんじゃないか、考え方を少し変えてみただけで今ではそう思えるようになりました。JCと仕事を分けて考えるからこそ、水と油のように交わらなくなる。同じ視点で考えれば、JCの理事長は企業でいえば社長、理事長所信は企業では経営方針と考えることができ、JC活動と会社経営を日常の至る所で重ね合わせて考えることができるのです。
一つ違いがあるとすれば、企業では労働者が労働力を提供し使用者はその対価として賃金を支払う労使の関係にあるのに対し、JCでは賃金を対価にした関係は一切なく、あの人には以前お世話になった、恩義があるからあの人のために頑張ろうという、ある意味、義理と人情の世界にあるということではないでしょうか。対価のない関係にあるからこそ、人財育成や組織づくりを学ぶ絶好の機会にすることができるのです。
従業員の立場にいる人は全社的視野で組織を考える経営者視点を、一人社長で会社を経営している人は組織が大きくなったときの人の動かし方を、一人以上の社員がいる人はその社員に対しどう振る舞えば能動的に仕事をしてもらえるかの人の活かし方を、JCにおけるそれぞれの役職の中から学んでいきましょう。
終わりに
 JCに入ったら何を学び何が得られるのか、そのような質問をされる時があります。もちろん、まちづくり事業や青少年事業などの事業経験からも、井の中の蛙だったと思い知らされる出向経験からも、様々な学びを得ることができます。ですが、私が考えるJCで得られる一番の財産、それは、一生の仲間ができる、その一言に尽きると思います。
 「遊びも勉強も一生懸命やりなさい」そう祖父は小さい頃の私に言ってくれましたが、皆さんも是非「JCも仕事も一生懸命」にやり、どんな時にも楽しむ心を持ち続け、メリハリを持ってJC活動をしていきましょう。
汗水流して共に苦しんだ間柄だからこそ一生の仲間になり得えるのですから。

基本方針
1、自社経営を意識した人財育成
2、全員参加型の会員拡大と継続参加の仕組みづくり
3、「モノとコト」を掛け合わせた地域(まち)づくり
4、栗原で生きることに誇りを持った青少年の育成

重点事業
1、 目的意識を持った会員拡大とOB交流会の開催
2、 絆を育む地域(まち)づくり事業の模索と研究
3、 栗原で生きることに誇りが持てる青少年事業の模索と研究
4、 公開討論会の開催
5、 第33回わんぱく相撲栗原場所の開催
6、 第5回ジョブKidsスマイルタウンくりはら2017の開催