理事長所信

一般社団法人栗原青年会議所

2019年度理事長所信

 

理事長 渡邉 登

 

【はじめに】

我々の活動エリアである栗原市では、市勢を表す代表的な指標である人口を例にとると、1955年にはピークで14万人に及ぶほどであった人口は一貫して減り続け、2017年の5月には7万人を割りました。少子高齢化や都市部への人口流出に伴い、生産年齢層が減少することで地域の活力低下となり、更なる人口減少へと繋がっています。

そのような現状の中で、私が所属する栗原青年会議所は1971年「われわれは、栗原に生きる青年であることに誇りを持ち、世界人たらんとする目標を定め、栗原の大地の上に人々によって奏でられる歓喜のうた声を現実のものとすべく、ここに集い栗原青年会議所を設立します」という諸先輩方の設立宣言文のもと、全国で469番目の青年会議所として誕生しました。これまでに新幹線新駅設置運動、広域合併推進「栗原市構想」などの運動を発信し、栗原に住む人々をけん引してまいりました。諸先輩方が築き上げた情熱に敬意を表し、その意思を引き継ぎ、運動を進めてまいります。

私は幼少期から地元の祭りに魅力を感じていました。多くの露店を眺め、行列がまちを練り歩き、活気に満ちあふれた風景は今でも鮮明に思い出されます。しかし同時に、時代と共に祭り自体が衰退し、大人となった現在でもどこかやり場のない寂しさを実感しています。

我々は地域の現状や課題と真摯に向き合うことで、このまちに住み暮らす市民を第一に考え、率先して行動し、地域のリーダーとしてまちの発展と未来のために全力を尽くします。故郷の活力が低下していく現状に歯止めをかけるべく、我々の運動により地域の更なる可能性を見出し、地域が活性化することで人と人との繋がりが生まれ「笑顔あふれるまち」を実現するために歩みを進めてまいります。

 

【会員拡大と資質向上】

青年会議所とは地域をけん引していく人財を輩出する場でもあります。私たちと同じ仲間を増やしていくということは、地域の未来に夢を描き、率先して行動する人財を地域に増やしていくことです。会員拡大とは単に組織を維持するために行う活動ではありません。市民意識を変革することでより良い社会を実現するという青年会議所運動そのものであります。我々はこの地域の未来のために志高く行動できる仲間を増やし、より大きな運動を展開していくためにも会員拡大をさらに推進していく必要があります。

また、近年、新入会員の入会年齢が上がり、在籍年数が短い会員が増えていますが、経験や年数に関係無く、一人ひとりが高い志を持つことにより密度の濃い経験を積むことができる組織が青年会議所であります。

そこで本年度は会員の拡大と資質の向上に焦点を当て、組織づくりを行ってまいります。まずは会員一人ひとりが責任を持って行動するために、会員候補者に対して共に運動を進めていく楽しさを伝え、魅力を感じてもらうことで同じ志を持つ仲間を発掘します。さらに、会員拡大については10名という明確な目標を定めることで、会員相互の資質向上へと繋げてまいります。

 

【「想い」を伝える広報】

栗原青年会議所の運動をより多くの人に発信するためには我々の組織を認識していただく必要があります。人に対して「想い」を伝えるということは直接相手と向き合い、心を通わせることであります。「想い」というものは伝わらなければ意味がありません。そして発信をしたところで、人の意思というものは簡単には伝わらないからこそ、強く力を入れるのが広報であります。

青年会議所は単年度制であり、理事長をはじめとする組織が毎年変わる事で、新たな地域の未来へ向けたビジョンと向き合い見つめ直しながら、その時代に寄り添った運動を展開してまいりました。つまり年初において一年間の方針を市民に強く打ち出していくことが必要になります。

広報の媒体として、これまでに広報誌の発行をはじめ、ホームページ、SNSを活用するなど、様々な手段で運動を広く発信してきました。本年度も市民団体や企業に向けて直接的に交流を図りながら「想い」を伝える広報を行うべく、これまでに多くの皆様からいただいた恩恵に感謝するとともに、一年間の運動指針を伝える場として「新春の集い」を開催してまいります。

 

【祭り事業の模索と研究】

大人になって将来、故郷に戻りたいと思うきっかけはなんでしょうか。私はそれが人と人との繋がりであり、そこに笑顔があふれていることだと思います。そのひとつの実現された形が、地域の文化たる祭りではないでしょうか。人が集まり、笑顔があふれることで、愛郷心が育まれ、それが望郷の念やきっかけとなりますが、人口減少に代表されるように、全国的にも活気が失われつつあります。

現在、栗原市においては旧市町村や地区毎に大小合わせて40余りの祭りが実施されており、それぞれの祭りの企画・運営については商工会や自治会、観光協会等が主催で行っています。栗原市に合併して14年が経過しましたが、現在でもそれぞれの地域性が強く残存し、文化の灯火は残されています。地域の未来を創造するために栗原青年会議所として、祭り事業構築に向けた模索と研究を行ってまいります。

 

【未来を創る子どもたちへ向けて】

現在の子どもたちを取り巻く環境はインターネット等の利用や近居、学習量の増加も進み、子どもたちが地域の大人と縁を作り、歴史に触れる機会も少なくなりました。そういった子どもたちに焦点を当てたときに必要なのは、地域のより身近な歴史を知ることで郷土愛を育む機会を提供することです。

未来を創るのは子どもたちであります。そのためには我々が模範となり、育成を行う必要があります。では、どういった大人になるのが望ましいのでしょうか。それは、生まれ育った地域を率いていく姿であると考えます。

明るい未来へ向けて健全な子どもたちを育成することでこのまちの未来を創る子どもたちが将来も笑顔を絶やさぬよう、心を育む事業を構築してまいります。

 

【わんぱく相撲の開催】

近年の出来事では若者の暴動など様々な社会的秩序が取り沙汰される中、「品格」や「礼節」に代表されるように失われつつある日本人の心というものが相撲にはあります。相撲は日本の国技で歴史や文化もあり、古くは神事でもあります。そして江戸時代から続く大衆の娯楽でもあり、多くの人々を魅了してきました。何よりそこには子どもたちの真剣勝負があり、勝敗の有無に関わらず、皆が応援することで笑顔があふれるのです。

従来相撲が盛んである栗原において栗原青年会議所の諸先輩方や栗原市相撲連盟等、関係各位の皆さまの尽力により、わんぱく相撲は今年で35回を迎えることになりました。本年度も青少年健全育成事業として子どもたちに相撲を通して心身の鍛錬、健康の増進、礼節や思いやり、そして感謝の気持ちを学ぶ場として開催してまいります。

相撲は一人の競技ですが、土俵の上に立つということはこれまでに支えてくれた人に対しての感謝を表すことであります。わんぱく相撲を通じて出場する選手が関わった全ての人に「感謝」ができるような大会を構築してまいります。

 

【ジョブKidsスマイルタウンくりはらの開催】

栗原市の人口減少の要因の一つは都心部への人口流出であります。子どもたちにとって住み暮らす地域に魅力を感じなければ将来もこの地域に住みたいと感じることありません。また、大人たちはまちづくりへ関わる意識を醸成することで「笑顔あふれるまち」を創造する必要があります。

子どもたちに働く大人たちの背中や、自ら働くことで喜びを感じてもらう「ジョブKidsスマイルタウンくりはら」は2013年から本年度で7回目を迎えます。2014年に策定した10カ年計画からすれば、現状では周知、拡大については達成されたと実感しています。本年度は定着に向けて行政や他団体と協議を図っていきます。

同時に、地域の企業からも求められる事業として、協力企業と交流を図り、子どもたちに自らの姿勢を見せることで、まちづくり意識の醸成を図ってまいります。魅力あふれる姿を見せることが子どもたちの笑顔に繋がり、この地域に住み暮らしたい、地域の一員でありたい思いへと繋がります。

子どもたちの笑顔と働く大人の喜びや誇りとなり、更に地域から求められる事業となるよう、運動を展開してまいります。

 

【結びに】

私が一番大切にしている言葉は「感謝」です。私はこれまでに青年会議所活動を通じて多くの仲間との出会いや様々な経験をさせていただきました。このことは今の私にとって大きな財産となっています。

青年会議所は40歳までの限られた時間しかありません。喜び、悲しみを共に分かち合うのは今しかありません。失敗から学ぶことで成功へと繋がります。仲間を信じ、物事に対して失敗を恐れず果敢に挑戦してまいりましょう。未来を創る子どもたちのために「笑顔あふれるまち」の実現へ向けて。

 

 

 

〈基本方針〉

1、「笑顔あふれるまち」の創造

2、積極的な会員拡大と資質向上

3、「感謝」を伝える運動の推進

 

〈事業計画〉

・会員拡大と資質向上

・祭り事業の模索と研究

・第35回わんぱく相撲栗原場所の開催

・第7回ジョブKidsスマイルタウンくりはら2019の開催

・未来を創る子どもたちへ向けた事業の開催

・「新春の集い」の開催

・広報誌の発行

 

 

〈参考文献〉

・栗原市ホームページ

・栗原市人口ビジョン

・栗原市第2次総合計画

・栗原市観光ポータルサイト

・祭りには日本の「生きる力」が詰まっている(www.nippon.com)

・相撲の歴史(新田一郎)